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9月14日 北アルプスの天然水

こんにちは、槍沢ロッヂ新人スタッフの有島です。

昨日の朝の話になりますが、遅番でいつもより遅い朝6時前に優雅に起床。早番のスタッフが作ったモーニングを食べて今日も1日頑張るぞ!と意気込んでいると、悪い知らせが。

「水が出てない!」槍沢に供給される水が完全ストップしていてタンクにある水もわずか、、

3連休の前であったことが不幸中の幸いでした。

いつもは制限なくスタッフ用洗濯機が使える槍沢も今日は水が足りなく使用禁止。全員の心配が漂うなか「復旧部隊」という名の重役に選抜されたのは私を含めた新人スタッフ2名。

槍沢の水(通称:北アルプスの天然水)はババ平の先にある横尾尾根を少し登ったところにある水源から小屋まで約1.5キロをホースでひいて供給しており、水の供給が止まった時は大概は水源にある取水口に問題があるので早速行ってみると

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ちゃんと健在しておりました。ホースは2本あり、ババ平のテント場に行くホースはちゃんと水が流れていたので頭のいい私はすぐに分かりました。

「槍沢に行くホースがどこかで詰まっているんだな」と。詰まっていそうなところのホースを交換してみるとジャバジャバと水が出てきました。

これでひと安心。新人二人でやってのけた。ふと視線を上げると、わかりづらいですが木々が色づき始め秋だなぁ。とパシャリ!

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色づき始めたナナカマド(最近、高山植物の勉強始めました。モテると思って、、)もパシャリ!

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時刻は午前10時前。今日は昼食の調理当番だからこれから戻れば余裕で作れるぅ~♪

さぁ帰ろうと思ったその時、さっきまでバシャバシャ出ていたババ平へ行くホースから水が出ていないことに気づき3秒固まる。

そして追い打ちをかけるように無線で「槍沢の水がまた止まった」と連絡がきて5秒固まる。

人生そんな甘くなく復旧作業を再開。

交換したばっかりのホース内は空気がたまってそれを吸い出さなければならないので

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ホースとホースのつなぎ目をはずし

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ホース内の空気を吸い出します。

原理はジュースをストローで吸うのと同じです。この作業をしていると1年前まだ高校生だったころ友達と放課後、サイゼ〇ヤで飲んだドリンクバーを思い出します(笑)

ただこの場合は数100mに及ぶ長さの分を吸わなければならず途中で息継ぎでもすればホースに空気が逆戻りしてしまうので並外れた肺活量が必要であり、やっと吸い出したとしても口の中に入ってくるのはジュースではなく泥の混ざったぬるい水。もちろん吸っている最中にいきなりやってくるので大半は肺の方に流れていくのがお決まり。

と、まぁかれこれなんとか槍沢へ行くホースの水は完全に復旧。

ただババ平に行くホースの水は復旧できず、お昼過ぎに残念ながら先輩を来させてしまう始末に。

新人スタッフ2人で始めた復旧作業は「道具が足りない」「人が足りない」などの理由で終わってみれば現場には5人のスタッフが、、

朝の6時半に小屋を出て、戻ったのは午後3時前。けっきょく時間も人も使った復旧作業になってしまいました。

そして、お昼ご飯の時間はとっくに過ぎておりお腹はペコペコ。先輩が作ったご飯はおいしく感じ、、おっと失礼いつも美味しいです!!

と、まぁこんな感じで北アルプスの天然水は今日も槍沢ロッヂに供給されていて、宿泊者の方もそうでない方も無料で飲めるのです!!

連休中の皆様のお越しをお待ちしております。それではまた次回!!