2018/06/02
奥明神沢からダイレクトルンゼを登る積雪期ルートの雪解けが進みダイレクトルンゼが滝状となった今、前穂高岳への登山ルートは重太郎新道へと移る時期ですが、前回(5月26日)ご報告した通り重太郎新道には2か所のハードな雪渓が残っており、まだまだ積雪期登山経験者にてピッケルアイゼン必携のルートとなっています。
そんな折、今回奥明神沢を詰めて明神のコルへと登り稜線通しにて前穂高岳へと行ってみました。
もちろん奥明神の雪渓を詰める訳ですから、当然アイゼンピッケルは必要ですしそれを使いこなす技術も備わっていなければお勧め出来るコースではありません。
朝7時半岳沢小屋を出発、冷え込んだ朝にて雪渓の雪はアイゼンがしっかり効き快適な登りですが、落石による大きな岩が至る所に転がっていて雪の融けだす午後には充分気を付けたいところです。
3週間ほど前までは直登出来たダイレクトルンゼですが、ご覧のように雪は無くルンゼの滝が大きく出現しています。
明神のコルへと続く最後の雪渓にて陽射しが凍った雪面に眩しくあたります。
コルから見上げる前穂高岳への岩稜。見上げると大きな岩がルート上に現れますが、ルートは踏み後や岩の弱点を縫って登りますが、ガスっているとルートファイディングに苦労しそうですね。
反対側には明神岳へと続く岩稜が聳えます。
稜線通しに登るといつの間にか明神岳が下方に聳え、前穂高岳の山頂も間近となって来ました。
前穂高岳山頂は独り占め状態にてゆっくり堪能しました、今の時期だからでしょうね。
涸沢側を覗き込むとまだまだたっぷりの雪が残っていて夏山には程遠いですね。
帰りは重太郎新道を下りましたが、まだ手強い雪渓は残っていて、通行可能となるのは6月下旬といったところでしょうか。
もちろん今回紹介しました明神のコルからの前穂高岳のルートは、エキスパートの登山者のみ可能となるルートですので、重太郎新道の夏道が通れるようになるまでの間、もうしばらくの我慢をお願い致します。
今回のブログ担当は残すところ数日となった、大天井ヒュッテ 小池でした。