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7月23日 水事情

電話に続きネット環境も悪化。昨日のブログエラーばかり出ていたのに結果3回も送信したようです。消そうと思っても送信記録が無いため消されないという悲惨さです。

同じブログばかり見させて申し訳ございません。

ところで今日はヒュッテの水事情のお知らせをします。

稜線の山小屋ではそれぞれに水の確保は苦労しながら、登山者の皆さんに不自由しないよう心掛けております。

ヒュッテでは、約400m下方の梓川の源流の二ノ俣からポンプアップして、水の確保をしております。

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昨日やっと水揚げ出来、パイプから流れる水、美味しそうですねえ。

実は今年はこの水が出るまでに、のべ4日間を要した日数が必要となりました。

最初は小屋閉めの時に切り離したパイプを何か所も繋ぎながら、400m下方まで下りおります。と言っても登山道は無く踏み跡のみの藪の中だったり、浮石の多い沢の中とか所々滝にも遭遇するといった獣道のような険しい上り下りのルートを辿ります。

それは最初ばかりではなく、水揚げ作業する際必ず利用せざるを得ないルートとなります。

初回は豪雨が続いた2日後だったため、普段でしたら清流の沢が濁流となっていて断念。

好天が続いたため水の心配は絶えず、20日ポンプアップするも長年使ってきたポンプに異常発生。圧力が上がらずヒュッテまで押し上げる事が出来ません。

メンテナンスしてあったはずの予備のポンプは更にダメで水を吸引する事すら出来ず。「これは困ったぞー」

21日、そういえば「倉庫に古いポンプあったなあ」と思い出し、私がヒュッテに来る前から保管されていた1台のポンプ。果たして使えるのか?

持って下りてエンジンに取り付けて・・・さあ。と思った瞬間、パイプのねじ山が合わない太さが違う。再びヒュッテに戻り倉庫を探してみると何とか「あったー」

喜び勇んで再びポンプ小屋へ

取り付けて「これで揚がってー」と願いつつエンジンを回す。

ところが圧力が中途半端でそれ以上上がらない。こういう時は途中でパイプの破損かジョイントの外れと予想は着く。

パイプを辿りながらチェックしていくと案の定

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パイプから勢い良く噴水状態の個所が。びしょ濡れ状態になりながら修繕。「よし」と思いながら更にパイプを辿ると再び噴水、またまた修繕し上部へ・・・

ところがまたまた傷がー 午後3時を回ってしまった、ここで時間切れー お客様対応と夕食準備の時間。今日も揚げられず断念

そして昨日、破損の多いパイプを新しいパイプに取り換え、今度こそと

午前9時 トランシーバーの向こうで「水出ましたー」の声に「やったー」と思い使えなくなったポンプをヒュッテまで担ぎ上げたところ、「水止まってます」の言葉に唖然。

再びポンプ小屋まで下降、エンジンポンプの異常で無い事を確認、再びパイプを辿る。

一番険しい藪の中で水の音が・・なんと更に3か所の破損が、驚く事にこれが全て熊の噛み跡だったんです。

その破損個所を修繕後やっとヒュッテに水が到着しました。

毎年〃トラブルはあるものの今回程苦労した事例はありませんでした。

長文お読みいただきありがとうございました。

山小屋で水を確保する事がとても大変な事、を解って欲しくて書きました。

蛇口を開きぱなしで洗濯したり、身体を洗ったり、中には足を洗ったりと、信じられない行為をするお客が居ます。

どうか皆さんも水を大切に扱って下さい、よろしくお願い致します。

そんな今日も快晴の1日となっています。

消灯後玄関を出てみました。

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満天の星空は何日連続でしょう?

そして昨夜の夕焼けウォッチング

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鋸刃岩からの鷲羽岳に沈む夕日を見入る参加者の皆さん。

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毎日〃〃こんなきれいな夕焼け続く日々

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ウォッチング参加者の皆さん感動の夕焼けショーでした。