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重太郎新道-紀美子平まで

紀美子平から、前穂高岳山頂方面の様子。上部も雪の残る個所はありそうです。

昨日、お問い合わせの多い重太郎新道の偵察に行ってきました。

時間の関係上、紀美子平で小屋に引き返しましたが、主に雪渓の様子をお伝えします。
結果からして、現在の重太郎新道、前爪付きアイゼン、ピッケル必要です。もし使わずに登れた、下れたとしても、必ずお持ちになってください。もちろんヘルメットも。

重太郎新道に入り、最初のジグザグを登り切ってすぐです。

気になる雪渓は4か所ほど。

まずは、重太郎新道の最初のジグザグを登り切ってすぐに出てきます。慣れていればなんてことのない場所に見えますが、特に下りの時には意外と厄介な斜度です。距離も短いので、「アイゼン、ピッケルなしでいいか」、なんて思いがちですが、少しでも不安を感じたらアイゼン、ピッケル、使ってください。

長い梯子の手前の雪渓。距離は40mほど。

次は、長い梯子の手前に現れます。雪渓を登りきる辺りは斜度がますので、ここでもしっかりと足元を確保しながら登り降りしてください。雪がグサグサで、油断していると結構滑りますので要注意です。

岳沢パノラマから雷鳥広場への中間辺り。

ここが、今現在で一番長く、斜度もある雪渓です。岳沢パノラマから雷鳥広場の中間くらいに出てきます。長さは70mほど。画像の右上の岩と岩の切れ目?辺りを目指して斜めに登る感じです。ここでも雪はグサグサなので、ピッケルとアイゼンの前爪で、しっかりと雪をとらえながら登ってください。

雷鳥広場と紀美子平の中間くらい。

紀美子平までの最後の雪渓です。尾根上を7mほど通過するのですが、両サイド斜度はあるので気を抜かずに通過してください。

以上が、紀美子平までの雪渓の様子でした。うまく伝わったでしょうか?
登り下りした感想は、少しでも不安に思ったら迷わずアイゼンピッケルを装備してください。と、いう事です。正直、雪渓と次の雪渓までは距離も長く、毎回脱いだり履いたりすることは億劫で、ついつい楽な方を選択してしまいがちですが、その結果、足を滑らせるかもしれないと考えると、必ず安全な選択をしてほしいと強く思いました。

また、複数で行動している方々も、たとえリーダーが大丈夫と言っても、もし自分が不安なのだとしたら、自分の不安(安全と思う選択)を優先してほしいと思います。

紀美子平からすぐ、奥穂高岳へ向かうトラバース。

長々と失礼しました。最後に、紀美子平からすぐ、奥穂高岳方面の様子を。

こちらはさらに油断の出来ない雪渓のトラバースがいきなり現れます。少しでも参考になれば幸いです。

どうか、安全登山を。

ちなみに、岳沢小屋へハイキングに来るだけでも、新緑の香りやぽつぽつと咲き始めた高山植物、小屋のテラスから眺める乗鞍岳など、楽しみはたくさんありますよ(笑)。
ランチ等ご用意して、お待ちしております。