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岳沢周回、前穂・奥穂・ジャンダルム

今日、お休みをいただいたので、早起きして前穂~奥穂~ジャンダルム~天狗沢の岳沢周回コースに行ってきました。何度も行っているコースですが、雪のある時期に1周したのは初めて、なかなか難儀しました(笑)

夜中の1時に出発したので、小屋から前穂~吊尾根の写真はありません。
奥明神沢とダイレクトルンゼの分岐で少し雪が切れ始めましたが、通行に支障はありません。そのあたりは明日、新人スタッフが研修に前穂へ行く予定ですので、楽しく紹介してくれることでしょう。
この時期は前穂の頂上から直接吊尾根への稜線を歩くのが一般的です(紀美子平からのトラバース道は残雪が多く利用されていません)。
ただ、真っ暗ななかでの道のない岩場の下りなのでけっこう難儀しました(笑)


吊尾根も随所で登山道が雪に寸断され、ルート捕りにはけっこう難儀します。単純に岳沢~前穂の雪渓ルートを登るよりは3倍くらい難しいですから夏がきて、雪が解けるまでは一般の方は立ち入らないほうが賢明です。特に奥穂側から前穂に行く場合な南稜の頭からの急な下りに雪が多くてルートがたいへんわかりづらいです。

さて、その南稜の頭でやっと夜明けを迎えました。左手に奥穂の山頂と、奥には槍ヶ岳の構図が撮れました。

吊尾根で予定外に時間を食いましたが、なんとか日の出10分前に奥穂山頂に到着。狙い通りの槍ヶ岳の写真が撮れて満足です!

奥穂からジャンダルムへ向かいますが、ここも例年以上に雪が多いです。だいたいいつも5月の下旬にジャンダルムへ行くと、稜線の雪がほぼ解けて、北斜面を中心に所々雪が残る程度なのですが、今年はまだ奥穂~ジャンダルムの稜線は雪がべったり。雪がナイフリッジ状に残る場所も多く、怖がりな私は四つん這いで歩いてました。

ジャンダルムを越え、コブ尾根の頭を過ぎると雪はだいぶ少なくなりますが、それでもところどころに雪が現れるでのアイゼンは外せません。ただでさえ、夏~秋でも難所とされる西穂~奥穂の稜線。その岩場をずっとアイゼン付けて歩くのはなかなか難儀ですよね。くれぐれも「アイゼンとピッケルあれば西穂から縦走できますか?」なんて電話で聞かないでくださいね。アイゼンとピッケルがあれば歩ける山ではありません、きちんと使いこなせる技術こそが必要です。

西穂の稜線と焼岳、乗鞍岳。

たいへん良い天気が休みと重なって、岳沢周回もできて大満足の朝でした。