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岳沢小屋

岳沢小屋スタッフブログ

8月31日、好天5日目

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先週土曜日から続く穏やかな好天も今日で5日目、 普通なら登山者で賑わうはずなんだけど・・・

日に日に山の登山者は減っていく。今日も雲は多いながらも暑からず寒からず、時折稜線方面も姿を現すような穏やかな登山日和だったんだけどねえ。それもこれも動きの遅い台風のせい。直接的な影響が出るのはあさって(9月2日)からなんだろうけど、天気図上に台風が現れただけで登山者は登山を敬遠する衒いがあるようです。ある意味正しい判断なのではありますが、今回のように早すぎる警戒もいかがなものかとこの空を見ていると思ってしまう。とりあえず、今日から土曜日あたりにかけての予約は軒並みキャンセル。明日くらいからはひたすら台風の通過を待つだけの日が続きそうです。

それにしても台風の予想進路がどんどん西へずれていく、まさかこのまま東シナ海へ抜けるなんてことはないでしょうね。とりあえず、この地域への直撃はなさそうということで、ホッとしていますが...

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8月30日 正午の進路予想
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8月31日 正午の進路予想
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8月31日 18時の進路予想
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9月1日 午前6時の進路予想
20110831-59月1日 正午の進路予想 20110831-6
9月2日 6時の進路予想

※ 宿泊予約について、すでに満室の日についてはこちらからご確認ください ⇒

8月30日、涸れてしまいました

 

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4月中旬に掘り当ててから今まで岳沢小屋の水源として使っていた沢がついに涸れました。

ホントに涸れてしまったのか、それとも途中で漏れたりしているのか、確認のために水源へ行ってきました。(写真中央の赤丸あたり)ルートなんてありません。坂本支配人のアドバイス&運の良さを信じて進みます。

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ひたすら藪漕ぎ藪漕ぎ・・・・

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猛烈な藪漕ぎで現在地を見失った野田は水源ではなくお花畑に到着。ラッキー♪

お花畑の近くに水源もあり、確認しましたが、やっぱりほぼ涸れていました。

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今までありがとう、奥明神水源。また来年、掘りに来ますよ!写真は4月中旬の水源。苦労したなぁ。。。。うん。

 

 

で、今後は別の水源を使うことになるので、先日坂本支配人と様子見に行ってきました。

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今年は雪が多く、水源はまだバカでかいスノーブリッジの下でした。中はひんやりしてていい場所ですが、崩壊の危険もあるのですぐ逃げました。

ホースをセットできるのは今接近している台風が過ぎてスノーブリッジがもっと小さくなってからでしょうか。

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ちなみに水源の近くはお花畑とトリコニーがきれいに見れる岳沢のビューポイントのひとつ。

ここに行くにはガレ場、急な雪渓を歩くので場所はヒミツです。

8月29日、みんなで蝶を追いかけたある日

 

とある日の上高地ヘリポート。みんなで蝶を追いかけていました。

ブログを見ていただいてる方はご存知かもしれませんが、8月14日も蝶を追いかけていましたが、今回は大勢で追いかけてみました。

追いかけるといっても止まってくれるのをまっているんですけどね。

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みんな夢中になって追いかけています。

 

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こちらはアサギマダラ。夏は山岳地域や東北地方にいて、越冬のために温暖地域に移動する蝶です。

沖縄まで旅をする、元気いっぱいな蝶です。

この日はヘリポート勤務のおじ様たちの身体に止まって一休み。

生態調査のためでしょうか、識別のために番号が書かれている個体もいるそうですが、ヘリポートに寄ったこの子達には番号がありませんでした。

これからまだまだ長い旅が続きますが、がんばってね!!

 

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こっちは高山蝶のキベリタテハ。ごめんなさい、蝶に関しては勉強不足のため、深く書けません・・・・。羽のヘリが黄色っぽいからたぶんキベリヒカゲなんでしょうけど。この蝶に似ている種はいない、個性的な蝶だそうです。

 

 

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蝶を追いかけているだけではなく、もちろん荷上げの仕事もしっかりやってます。

次回の荷上げも写真のように青空の下でバンバンできたらいいのですが、台風の影響が気になります。

8月28日、女子会 in 天狗沢

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今日も雲が広がるものの、日差しに恵まれた穏やかなお天気の週末となりました。

昨日の「女子ガイド企画・初めてのテント体験」の面々は別に山の頂上へ登るわけでもなく、「ちょっとだけ散歩して下山する」というので、「それじゃあもったいない」と天狗沢の第2お花畑までご案内してきました。(本当はモデルになれと命令して…この女子ガイドは同じガイド協会に所属する仲間なので)

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無理矢理登らせたとはいえ、きっと満足してもらえたことでしょう。

昨日の続きになりますが、最近の若い登山者の特徴といえばオシャレなこと(服装に金をかけている)。

御多聞にもれず、この方々も皆さんそれなりに高そうなウエアを着ているなと後ろから眺めてました。

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アークテリクスにホグロフス、パタゴニア・・・

 

さて、8月最後の日曜ということで今日もお昼時の小屋前はたいへん賑わいました。

そんななかでこの夏活躍してくれた常設の大型テントもそろそろお役御免、9月の3連休まではしばらくお休みいただこうとしっかり乾かして撤収いたしました。これからしばらくは山も静かな時間を迎えられそうです。「穂高に登りたいけど、混雑したのは苦手…」という方はこれからの季節がおすすめです。紅葉が始まるまでは連休を除けば静かな山を満喫できるでしょう、どうぞ天気予報を見て確実に晴れそうな時にお出かけください。

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8月27日、ヨーデル in 天狗沢

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今日は朝から青空が広がりました、朝から青空なんて半月ぶりのことです。

そんな青空のもと、昨日のヨーデル御一行様を小屋から10分の天狗沢第1お花畑までご案内。

わずか10分とはいえ、樹林に囲まれた小屋周辺とは違い草地が広がるこの場所はまさにアルプ的景観が広がる場所、アルプホルン奏者の石川さんが試しにちょっとだけホルンを吹いてくれました。

(ふたコマ連続でご覧ください)

ここから見下ろす上高地は標高差700mを一気に見下ろすナイスビュー、まさに太古の氷河が作り出した優美なスロープ。そして見上げれば天狗岩の岩峰、さらには足元に咲き乱れる高山植物、岳沢小屋周辺で一番お奨めしたいスポットです。

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(奏者と関係者との記念撮影)

 

さて、雨マークの無い(あっても小さい)日が数日続きそうです、しかも週末ということで、今日は小屋前が久しぶりに賑わっています。とはいえ、お盆の頃の賑わいとは違い、夏も終わり、なんとなく落ち着きのある賑わい方です。

そんななかで目を引いたのがこの女性ばかりのテント集団。

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地元・松本の山岳ガイド協会主催の「女子ガイド企画・初めてのテント体験」だそうです。

最近、こうしたファッショナブルな若い世代の登山者が増えていると話題になっているようで、それについての賛否の声もいろいろとなるようです。

私、個人的な意見としましては、「そんな細かなことはいいじゃないの、みんな自分で荷物を担いで自分の足で山に登りに来てるんだから」と思います。基本がなってないとか、いう人もいますが、「じゃあ、自分が山を登り始めた頃はどうだったの?」と言いたいわけで、少なくとも自分が山に登り始めたころはいい加減な装備でいい加減な登り方をしていたと思います。それが元で痛い目に遭ったら、遭ったで、それもまた良い経験なのではないでしょうか。(死なない程度で)

各論はともかく、総論として、山登りを楽しんでくれる人が多くなるのはいいことだと思います。

 

おまけ・・・

天狗沢でのヨーデル。(映像が横になってるし、途中で携帯の着メロが鳴ったりしてしまいます、ごめんなさい)

 

8月26日、ヨーデルコンサート

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というわけで、本日はヨーデルコンサートです。

屋外での開催予定なので天気が気になるところなのですが、朝のうちは雨が降ったり止んだりの天気。

でも、昼からは雨もやみ、リハーサルを行う頃にはこんなに晴れてきてくれました。

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雨の予報のせいで、登山の方もヨーデル目当ての方にもキャンセルが多く、少なめの観衆に申し訳なさを感じつつ、いやいやこれは当方のプロモーション不足と猛省しております。実際のところ、どんな催しになるか我々も想像もつかなかったせいかイマイチプロモーションに熱が入らなかったのも事実でありますので。

しかし、しかし!

初めて「ヨーデル」なるものを生で聴きましたが、とっても楽しかった。夕方4時からの開催なので夕食の準備とも重なる時間帯なのですが、スタッフもずっと聞き入っておりました。

論より証拠、こちらの動画からどうぞ。(ちょっと重いのでご注意を)

もっと多くの方々に聞いてもらえなかったことが本当に悔やまれます。

社長の穂苅は「ぜひ来年もやりたい」と申しております。

その際はぜひ多くの方々のお出かけをお待ちしております。

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8月25日、また雨・・・か

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あいにく、昨夜から未明にかけてはまたまた雨降り。

今朝は一旦雨もやみ、上高地に沈む雲、周囲の山肌にまとわりつく雲が変幻し、

とてもきれいな朝だったのですが・・・

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日中は予報通りに雨。
風も弱くて、比較的視界もあって、さほどひどい天気というほどではないのですが、今日も明日も雨という予報ではやっぱり登山者は敬遠されますね。

今日も再び静かな一日となりました。

夏前に持ってあがったものの、集中して読んでいる暇がなくて封印していた新宿鮫Ⅹ(10作目)絆回廊をついに読み始めてしまいました。

宿泊の予約もキャンセル続きで、今日もお客さんは少なめ。

明日の予報も悪そうということで連泊の可能性もあるので、今夜はあらかじめ連泊メニューを。


しかも、皆さんけっこう食欲のありそうな面々だったので特盛でご用意しました。
こういうのは気分次第で作るので、いつもがこんなメニューというわけではありません、あしからず。
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8月24日、青空はいいね

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しつこい秋雨前線がようやく北上して、今日は久しぶりの青空。実に9日ぶりの青空となります。

昨日まで極めて静かだった日中の小屋前も、今日はとても賑やかで楽しそうです。

さて、やっと天気が回復したので小屋の頭上で懸案だった天狗岩のクサリの補修に出かけてきました。

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念のため、2か所をハーケンで留めてきましたが冬期の凍結砕破作用などで抜け落ちているのを見かけた方は岳沢小屋か西穂山荘か穂高岳山荘へお知らせください。

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作業後、通過第1号様。
今日の奥穂~西穂の稜線は天候の回復を確信していた方が多かったのか、思った以上に多くの方が昨日のうちに入山を済ませ、今日の稜線歩きを楽しんでいました。

悪天続きで、山行を中止にされた方は残念でした。今日はこんなに良い天気となってしまいました。

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今日は展望もすこぶる良くて、富士山・白山もばっちり見えました。

風も穏やかで涼しくて...、こんな日の岩稜歩きは最高に気持ちがいいことでしょう。

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天狗の頭からは今シーズン初めて槍を見ました。

何度か稜線へは上がっていたけれどいつも天気がイマイチだったので。合わせて富士山も初でした。

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また、麓の天狗沢のお花畑も良い感じになってきています。

まだ花の主体はサラシナショウマとゴマナ、ともに白い花なので艶やかさに欠けますがそろそろトリカブトが咲き始めます。トリカブトの紫色が加わるとさらにお花畑はきれいに彩られます。

今日はこの少し上まで日帰りハイキングに来られたグループがいまして、小屋で休憩されてた時に「天狗沢はどうでした?」と聞くと、「よかった~、ムーミン谷みたい!」と喜んでおられました。

来週から9月10日頃までがこの場所の見頃になるかと思います、ぜひお出かけください。

(午後は山肌が逆光になるので午前中がお奨めです)

 

余談ではありますが・・・

今日は天狗沢から天狗のコルへは登らずに「間天のコル」へ登ってみました。

ちょうど、上の写真で左端の峠みたいな地形のところです。天狗沢のルートから分岐するあたりに昔、おそらくは昭和30~40年代にクライマーの人たちが利用したのであろう踏み跡が残っていましたが、基本的には道はありません。

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こういう、ただのガレガレの岩場を登って行きます。でも、普通の登山道には飽きた、ちょっと変なところを登る人には面白いかもしれません。
どの岩に足を置けば崩れないか、登り易いか、など山歩きのセンスを鍛えるにはこういう登りは最適です。
脱・一般登山者を目指す人はこういう場所で鍛えてみてください。



コルから小屋(赤丸)を見下ろすとこんな感じ。
こんなガレ場を登るのが好きな人はぜひどうぞ。但し、下降は極めて危険ですので登り一方通行でお願いいたします。
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8月23日、雨の岳沢

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昨日の淡い期待もむなしく、夜半から強めの雨が降り続き、結局一日雨降りとなりました。

岳沢は増水しているけれど渡れないほどひどい増水でもなく、雪渓末端から吐出される水流と上部の滝の流れを撮りたくて、この場所で30分くらいカメラを構えていました。

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前線の雲の列にもようやく大きな隙間が出来てきて、予報も明日は晴れそうとのこと。

昨日までは片手で足りるくらいだった宿泊者も、明日からの回復に期待してか人の流れもやや戻ってきています。週末に向けてそこそこいい天気が続いてくれるといいんですけど。

8月22日、キオン

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先日、前穂から下りてきた登山者に「最後のところで黄色い花がたくさん咲いていたけど、何かしら?ハンゴウソウ?」と質問されました。小屋からも登山道の両脇がほんのり黄色っぽく見えるほどたくさん咲いているこの花はキオン。今は小屋の周りでもたくさん咲いています。

今日も朝のうちまでは雨が降っていましたが、部屋掃除が終わるころには雨もあがったので、そのキオンを見に行ってました。他にもサラシナショウマやトリカブト、ゴマナなどが咲いていてお花畑的景観を醸し出しています。天狗沢下部と合わせてこの重太郎新道下部も9月上旬まで、これらの花がきれいに見られると思います。晴れれば穂高の岩壁や天狗岩の岩峰をバックに咲くこれらの花、きっといい写真が撮れることでしょう。

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その後も天気は順調に回復、晴れ間も覗いてきたので久しぶりに布団も干してみた。すっかりシケシケだった布団、完全とまではいかないまでも不快さは感じない程度には乾かせました。

ここしばらくしつこかった秋雨前線もようやく雲の並びに隙間が出てきた模様、明日以降は徐々にその活動が弱まってくるんじゃないかなと根拠の定かではない希望を感じとっています。

こんな天気とはいえ、登山者が皆無なわけではなく、ダメモトで登ってきた登山者などは意外な晴れ間と展望に嬉しそうな笑顔を見せていました。

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8月21日、不動

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こちら(↑)、今日の正午の気象衛星の画像(可視画像)。

見事なまでに秋雨前線の雲が日本列島にべったりと張り付いている。

そしてこちらは昨日の午後の画像(↓)。

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なんだ、全然動いてないじゃないか。

おかげでここ数日はキャンセルの嵐、静かな日々を送っています。つい数日前まで忙し過ぎて、疲れが溜まりまくりだった身体もすっかり復活しています。いいんです、いいんです、こんな天気の時にお越しいただいてもこっちもなんだか申し訳ないしね。中にはこの雨続きの天気をいぶかる人もいるようですが、これは毎年必ず発生する秋霖。いつもなら9月初旬~中旬に発生することが多いのだけれど、今年は早かった梅雨入りから始まって天気のサイクルが全て半月前倒しで経過しているから、この早めの秋霖も〝なるほど"という感じ

またそのうちに晴れの予報が続く日が来ますよ、必ず。

それまで静かに待ちましょう、天気が良くなったらまた山へお出かけください。

 

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8月20日、岳沢登山道

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シトシトと雨が一日降り続く土曜日、登山者も少なめで静かな週末となっています。今日は少し担ぎ上げる荷物があったので久しぶりに上高地まで下りました、実に一ヶ月ぶりの上高地です。

前回下りたのは海の日の連休直後のこと、それから何百人あるいは千数百人の人がこの道を通り、道がどんな具合になっているかけっこう気になっていました。

結果、なかなかいい具合に落ち着いていて一安心、特に登山道脇の草の繁り具合が気になっていましたが、その点もたいへん状態がいいし、6月の大雨で欠壊した路肩を迂回して造った道も具合よく馴染んでいてさらに安心。5月、6月と暇な時期にせっせと草刈りや整備に通った甲斐があって、ちょっと嬉しい気分になりました。

昨年秋の清掃登山で参加していた中の湯温泉旅館の知り合いが登って来た時に、「ここは石の道でいいですね」と羨ましがっていた。中の湯温泉が管理する焼岳の登山道は火山灰土の道で踏み荒らしや雨による登山道の洗掘(せんくつ)がひどいらしい。おかげさまで岳沢の道は石が主体の道なのでそういう心配はなく、登山者が多く通れば通るほど石がしっかりと馴染んでくるタイプの登山道なので、その種の心配はいらないので助かります。

しかし先人が築いたこの石段の道、これを作るのは大変だったことと思います。いま小屋が建っている石垣もそうですが、本当に苦労して築いた石の道と石垣だったことでしょう。ここを通るたび、その感謝の念を忘れてはいけないと感じています。この岳沢に限らずどこの登山道も昔の人は根気と造り上げていったなあと感心します。今、そんなことをやれと言われたらたいへんなことです。いや、日常の雑多な業務に追われてそんなことはできないでしょう、きっと。

登山者の皆さんも当たり前に通っている道、それを作った人たちの労苦を少し感じながら歩けばまた違った山歩きの楽しさが発見できるかもしれません。

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さて、山では盛夏が終わり秋の花が咲き始めています。

上高地から岳沢にいたる山地帯の秋の花というと写真のソバナやクガイソウ、センジュガンビにノコンギク、サラシナショウマにトリカブトなどなど...

山小屋で働き始めた年、ちょうど今頃槍ヶ岳山荘でのフルートコンサートか播隆祭かの歩荷と弊社会長の穂苅貞雄のお伴を兼ねて一緒に歩いたことがありました。そんな時に名前を教えてもらったのがこのソバナやセンジュガンビ・ノコンギクなど。今でもこれらの花を見ると当時のことを思い出します。(注:会長は90歳でまだ健在です) 人との何気ない会話でもこうして覚えている者がいるかと思うと、自分としても言葉の一つ一つに責任を持たなければならないな...、などとこのソバナを思いながら歩いていました。

 

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そうそう、いま小屋の直下でこのオオヒョウタンボクが真っ赤で瑞々しい実をたくさん付けています。

一昨日、ある登山者に「これは食べられますか?」と聞かれましたがオオヒョウタンボクは毒がありますのでご注意ください。この周辺で食べられる実と言えばクロマメノキ。ブルーベリーに似た美味しい実です。が、国立公園内では植物の実や葉・花などの採取は禁じられています。食べて美味しい実でも採ったりしないよう気を付けてください。

 

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8月19日、石を使って作ってます

小屋の近くで石を運んでいる人がいれば、それはきっと僕でしょう。

こんばんは、石の世界にはまってしまいました野田です。

石積みのきっかけは以前ブログにも載せました、石垣作り。そのときできた石垣は今も健在です!ただ、来年の春にちゃんと残っているかどうかはわかりませんが。

 

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石垣作り後は小屋の何ヶ所かで石畳作りが始まっています。

上の写真左が作業前、右が完成間近の現在の石畳。大中小、さまざまな形の石を運び転がし続けて・・・・・何日かかったのでしょうか?やっとここまでになりました。

お客さんが歩くことはあまりない場所ですが、どの石もガタガタしない安心設計です。

 

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こちらはお客さんにも利用していただいている臨時宿泊棟の入り口。ドアのところと地面とが15cmくらいの段差があったのが気になり、石畳にして斜面にしてみました。

 

仕事のひとつとして始めたこの石を使った作業、今では趣味になってます。「大変ですね」と声をかけていただくこともありますが、楽しくて楽しくて、ぜんぜん大変な作業ではありません!

 

 

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小屋前は現在このような状態ですが、そのうちここもきれいな石畳にできたらなぁ・・・・なんて思ってます。さて、明日も天気と時間を見ながらせっせと石を運びましょうか。

8月18日、クサリ場

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季節を分ける前線が南下してきて、今日の稜線方面は濃霧と強風になっている模様。

そんななか奥穂~西穂の稜線へ。とは言っても遠足とかいうわけではありません。

昨日の夜、西穂山荘から電話があって、ある登山者が天狗のコルの直上のクサリ場で「クサリの支点が抜けて転んでしまった」、しかも当人はそのまま放置してきたとのこと。もし次の登山者がそのクサリに頼ったりしては大変だということで、現場に一番近い岳沢小屋で点検に行ってきた次第です。

結局のところ、この種の登山者の通報というのはけっこういい加減なものが多く、今回も天狗のコルの直上のクサリは全く異常無し、奥穂側の畳岩方面へも出かけてみたが異常なし、次に天狗の頭を越えて間ノ岳方面のクサリ場でやっと異常を発見。

とは言っても、それは昨日・今日という話ではなくもう何年も前から支点が抜け落ちていたところ。誰かがザイルで簡単な補修をしていたので誰もが「こんなところはこんなものだろう」と見過ごしていた場所。ただ、冷静に考えれば確かに「ちょっとまずいかも」という感じでした。

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応急的な補修を行い、両サイドの注意喚起の看板を置いてきました。

後日、補修用の資材を持って再整備に出向きたいと思います。

そんな昨夜、救助活動のために岳沢に泊っていた常駐隊の吉田隊長ほかとクサリに頼るか頼らないかという話題になりました。吉田隊長は「クサリなんかに頼らず下りるものだ!」と言いましたが、私は「今の登山者にそんなレベルの高い行動を望むことが酷なこと」と申した。

確かに吉田隊長の言い分が正論だと思うのですが、今はほとんどの登山者がクサリやハシゴは安全なものだと信じこんでいます。でも決して100%安全なわけではありません。金属疲労もあれば、支点を打ち込んでいた金具が抜け落ちる可能性も十分にあります。そんな時に全体重をクサリにかけていたらどうなるか...

そんな事故が少なからず起きているのも事実です。

皆さんも登山道のクサリやハシゴを100%信頼することなく、「もしかしたら抜けるかも...?」という疑いを持ちつつ登山を楽しんでいただきたいと思います。

 

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8月17日、安全登山ノススメ④~救助隊の活動

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朝から稜線方面は雲が低く垂れこめる空模様、そして予報より早く午前8時過ぎから雨が降り出した。

明日、明後日と山では荒天となりそうで相次ぐ宿泊キャンセルの電話、「今日は暇になりそうだし、夕方から休みをもらって散髪にでも下りようかなあ」なんて鏡に映る少し髪の襟足が伸びた自分を見ながらノンビリ過ごしていた午前9時半過ぎ、ある電話がかかってきた。

「紀美子平の少し下で滑落して、足を捻挫して動けない」と。(その後の所見ではおそらく骨折)

さてさて、困りましたぞ。こんな天気ではヘリは飛べないし、現場から担いで下すといっても重太郎新道の岩場を下すのは容易ではない。とてもじゃないが、小屋のスタッフが一人や二人では対処できない事態です。警察と涸沢の常駐隊と連絡を取り、救助要員の大量投入しか手段はないということで、まずは涸沢から隊員2名が現場へ急行することとなった。その後、県警の隊員3人が岳沢小屋までヘリで送り込まれ(冒頭の写真)、ここからは岳沢小屋の野田も合流して4名で現場へ向かうこととなった。

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このとき、時間はすでに午後2時。目指す現場方面は引き続き雲の中。場合によっては夜間に及ぶ搬送、あるいは悪天の中でのビバークも想定される状況の中4名を見送った。

(ここからは野田の撮影による写真となります)



現場に先着していた常駐隊の隊員と合流したのは午後3時半。ここから背負っての搬送作業の開始です。
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重太郎新道を利用したことがある方ならご存知の通り、登るにせよ下るにせよ、大変な道です。そこを体重75kgの負傷者を背負って下りるというのは容易なことではありません。
背負う人、上からザイルで確保する人、周りでサポートをする人、荷物を運ぶ人…
たった一人とはいえ、山で歩けない人間を運ぶというのは容易ならざることなのです。

負傷者を交代で背負い、標高2670mの岳沢パノラマに到着したのが午後5時。登山道はここからさらに急傾斜の危険な道になります。負傷者と隊員の安全を考慮しつつ、天候がやや好転してきたということでここでヘリ搬送にトライするということになりました。
それまでの間、遭難者および同行者をツエルトで休ませ、体力の消耗を防ぎます。
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霧が濃くなったり、薄くなったりするなかで発煙筒を焚いて、ヘリを誘導する。(しかし、発煙筒の点灯時間内にはヘリはアプローチできなかった)

この場所で待つこと30分。ようやく雲の切れ間から県警ヘリが飛んできました。
この様子を小屋から眺めていましたが、本当にギリギリの状態での飛来でした。
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そして、ようやくヘリでの収容が完了したのです。事故発生から8時間後のことです。

とはいえ、これで全てが終わったわけではなく、隊員と同行者が岳沢小屋に到着したのが午後6時半。

負傷者と常駐隊の2名は岳沢泊まりとなりましたが、警察官は引き続き歩いて下山。そのうち一人は「今夜は当直なんです」と言っていた。

 

以上が今日のドキュメント。

別に遭難者の非を責めるつもりはまったくありません。あんな急な下りの道ですからシーズンに一人や二人、転んでも当たり前だと思ってます。それどころか、よくぞ骨折だけで済んで良かったですねと申し上げたい。もうちょっと転げ落ちていたら悲惨な事態になりかねない場所での出来事でしたから。しかし、ご覧の通りに一人の不注意から発生した事故でこれだけの人間が苦労させられているのです。

遭難者や同行者は感謝の気持ちの反面、これほどたくさんの人に迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいでしょう。

最初の電話で一通りの事情を伺ったあとに「それは救助を要請するということですね」と念を押しましたが、その「救助要請」という言葉の持つ意味がこれほど重大とは思いもよらなかったことでしょう。

最近流行っている何かのマンガであまりにも安易に救助を要請する場面が多いために、山での救助を簡単なものだと思っている人も多いんでしょうね、きっと。今回のケースを「安易」と申しあげるつもりは全くありません、絶対に自力での下山は無理な状況ですから。でも、自分のほんのちょっとした不注意が引き起こす事態というものをもうちょっと重く考えてもらいたいと思います。

お盆休み中は比較的事故も少なく静かな山だったのですが、この一日・二日で穂高連峰のあちこちで遭難が多発しています。そして、いずれも稜線方面の悪天(視界不良)とあいまって救助活動が難航しています。救助するほうも、救助されるほうも救助の長期化というのはたいへん気が重いものです。遭難するなら天気のいい日に!というつもりはありませんが、やはり悪天時は滑りやすい、カッパを着ていると動きが鈍くなるなどの負の要素が増えていきます。山歩きをするうえで、雨(悪天)は避けられませんが、そういった時はより慎重な行動をお願いしたいものです。

登山は楽しく安全に! 、この一言に尽きます。

8月16日、告知:ヨーデルコンサート

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今朝8時の小屋前の様子。

ようやく人波も一服感かと思ったのも束の間...

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やはり日中は大勢の人で賑わいました、さすがは奥穂高岳(本邦3位の高峰です)。

※実際のピーク時はこんな写真を撮る余裕無し

私が山で働きだした頃は、お盆を過ぎると人出はめっきりと少なくなったものですが、この10年くらいはそんな昔の既成観念はあてはまりません。一つは休みの分散化の影響、もう一つは元気な中高年(60歳以上)の人たちが曜日などには関係なくいつでも出陣可能な影響。特に後者の『毎日が日曜日』世代は混雑する夏山前半を避けて、比較的静かな夏後半で尚且つ『天気が確実に良い日』を狙って山へ出かける傾向があります。そんなわけでまだまだ忙しい日が続きそうです。

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なにはともあれ、こうしてテラスで飲む生ビールが似合う光景は平和だなと思います。

 

さて、最新情報でもお知らせをしておりましたが、来たる8月26日(金)に岳沢小屋の1周年を記念してヨーデルコンサートを開催いたします。

出演奏者は本場のヨーデル歌手のほかアコーディオン奏者にアルプホルン奏者という本格的なグループで、今年新設されたテラスで午後4時開演予定です。屋外での開催ですので、宿泊者限定というわけではありません。テント利用の方もぜひ観覧いただければと思います。

当日の小屋への宿泊の余裕はあと8名ほどとなっております。宿泊希望の方はお早めにご予約ください。

なお、この日に限り常設の大型テントあるいは倉庫棟での宿泊も予約制とさせていただきます。お部屋がいっぱいになっても15名ほどはそれらの施設で宿泊可能です。そのあたりは宿泊予約のページでご案内を掲載いたしますので参考にしてください。

※宿泊予約について、すでに満室の日についてはこちらからご確認ください ⇒

8月15日、穂高くん(2歳)

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今年のお盆休み期間中はにわか雨程度があったものの、予報通りの好天に恵まれて大勢の登山者で賑わいました。毎日、夜明け前からバリエーションルートを目指す登山者がカラビナ類をガチャガチャと鳴らして賑やかな朝でした。これらの登山者はだいたいがテント利用の人たちですが、やはり小屋があって、水があって、トイレがあって、ビールがあって、というのは心強いものなのでしょうか。そのあたりの登山者心理は分かりませんが、4シーズンの空白の後に昨年開業してわずか1年でこれだけの方々に岳沢小屋の存在を認知いただけたというのはありがたいことです。

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一方、日中の岳沢で目立ったのは家族連れ。

日帰りハイキングとしてはピッタリのロケーションとはいえ、上高地からの標高差670mというのはそれほど楽なものではありません。個人的には夏休みに信州の高原へ気軽なハイキングと言えば、八方尾根・栂池高原・乗鞍岳・美ヶ原・霧ヶ峰・北八ヶ岳・中央アルプス千畳敷などが思い浮かびます。いずれも標高差は200~300m程度といったもの。それくらいが「気軽に」の範疇だと思います。そんななかでこのノンピークである岳沢まで足を伸ばしていただけることはたいへんありがたいことです。

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最初の大きな写真は穂高くん(2歳)。こんなに小さいのに一人前にノースフェイスのウエアなどを着こんでいます。名付けた親にはいろんな想いがあるんでしょうね。そんな親の想いなど知る由もない穂高くんにとってはこの日が穂高初デビューだったのでしょうか。大きくなったら絶対にこの山の頂上に立って欲しいものです。

ここから先は極めて個人的なことですが...

私の大学時代の先輩にも子供に穂高と名付けた人がいました。ただ、親も本人(子供)もまだ上高地までしか来たことはなく、穂高には登ったことはありませんでした。私が岳沢勤務になったのを機にぜひ「穂高へ!」と願っていたのですが、その先輩は今年の6月下旬にクモ膜下出血で突然亡くなってしましました、まだ40代の若さで二人の子供を残して。この穂高くん(2歳)を見ながら思うことはたくさんありました。いつ人生の幕を迎えても悔いの無い人生を送りたいもの、などと穂高くんと小松先輩のことを思い浮かべた初盆でした。

 

なにはともあれ、これにて夏山前半戦は終了。毎日到着の遅い宿泊者が多く、振り回される毎日でしたが、遭難という点に関しては大きな事故もなく、一安心のここ数日でありました。

まだ忙しい日もあるでしょうが、これまでのような朝から夜まで休む暇無しという状況からは解放されるでしょう。そんな「小屋番が休む暇無し」という正しい夏山の姿の今年の岳沢でした。

 

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8月14日、蝶を追いかけてみました

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夕方に一雨ありましたが、朝も夕方も比較的いい天気となりました。今は星空が徐々に見えてきています。

星空だけではなく、登山道にはヘッドライトの光も見えてますが・・・・・。今は何も言いません、とにかく無事に下りてきてください。(現在 20:10)

 

 

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今日は高山蝶の一種、ベニヒカゲを追いかけてみました。

小屋周辺にたくさんいるんですが、落ち着きがないこの子達はなかなかシャッターチャンスをくれません。

やっと止まったと思ったら手の上、サンダルの上、カメラケースの上・・・・花に止まってるところを狙っていたのに、なんだかひねくれてますね。

さらに珍しい 「クモマベニヒカゲ」 という種もいるんですが、今日は見つかりませんでした。

岳沢には蛾も蝶もいます。

蛾と蝶の違いってなんだろう?と思い、以前小屋に蝶を撮りにきた方に尋ねてみました。

 

その方に教えていた答えは・・・・

「蛾と蝶それぞれに特徴はあるが、例外が多く、決定的な違いはない」 とのこと。

高山蝶の方が圧倒的に種類が少ないから、その種類を全部覚えてしまうのが一番だそうです。

止まったときに羽を広げているのが蛾、閉じているのが蝶だと思っていましたが、そんな単純ではないんですね。

 

 

ちなみに上高地周辺は高山蝶の宝庫。

興味がある方はぜひ探してみてください!

撮るのはオッケーですが、捕るのはダメですよ!!

 

 

 

 

 

あ、冒頭の登山者は無事に小屋に到着しました!

8月13日、お盆休み

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本格的なお盆休みは今日からとなるのでしょうか。昨夜の宿泊者が出発して一瞬だけ静かな時間を感じたのも束の間、まもなく上高地に早朝到着した登山者が続々と登ってきました。

その後は夕刻まで人の声が途切れることのない賑やかなお盆休み初日です。特に今日は小さな子供を連れた家族連れが多かった。登山者もハイカーもともかく、みんな楽しそうでなによりです。

 

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海の日の連休に続き、お盆休みも好天に恵まれてよかった、よかった…

去年のお盆は台風が来たり、その後も稜線方面はガスに閉ざされたりと散々な天気でしたが、今年は文句なし。天候のサイクルがちょうど具合良く連休のシフトにうまくはまり込んだようです。

最後の写真のように常駐隊の方が笑顔で任務を終えられると、もう文句なしのお盆休みです、これは。

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8月12日、スッキリと青空

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昨日の雲の多い天気から一転、今日はすっきりと透明感のある空が広がりました。こんな日に山の頂上で過ごす時間は格別でしょう。今日、山にお出かけされた方はとても幸運だと思います。

さて、今朝の最低気温は8℃、少し涼しい大気に入れ替わったきたようです。山では『お盆を過ぎると秋風が吹く』などと言われますが、そろそろ夏は収束に向かい秋へと向かっていくのかもしれません。それでも日中は強い日差しで外にいると暑いくらいの日和です。

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ここのところ天狗沢経由で奥穂方面へ向かう方や奥穂南稜を目指す登山者が増えています。昨年よりは明らかに増えており、それがただの偶然なのか、この場所に山小屋が再開されたからなのかはわかりませんが、魅力あるコースに人が向かうことは喜ばしいことです。ともに整備の行き届かない、あるいはまったく未整備のクラシックルートですが、整備され過ぎた登山道に飽きてきた、あるいはちょっと冒険心をくすぐるようなルートで穂高に登りたい方にはぴったりのコースです。これからもこの2コースを登る人が増えると嬉しいですね。

 

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8月11日、南稜取り付き&岳沢常駐

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今日は上空の気圧の谷の影響で、稜線方面はガス&強風となっているようです。

岳沢は日差しが無い分、涼しくて過ごしやすい陽気になっています。

さて、お盆休みを前に奥穂南稜取り付きの具合に関する問合せが多いので様子を見に行ってきました。

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最初の写真の先はこんな感じでギャップの高さは2mほど。今のところ飛び降りて飛び降りれないギャップではないけれど、転んでシュルンドの中へ落ち込むと大変なことになりそうな感じです。また雪渓の左縁は雪が非常に薄くなっているので近づくのは危険な状態です。

さて、この二人はどうやって下りたかというと…

安全策をとって、ザイルで確保しながらの下降という手段を取りました。

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二人目の下降の際はモデルになってくれた御礼に私が確保役をしてあげました。

今後、このギャップはさらに広がるかと思います、どのような装備でどのように下りるかは皆さんのご判断にお任せいたします。ちなみに今日は4組9名の方が南稜を登って行きました。天気はイマイチですが、たまに視界が開ける時間もあるようで、楽しそうでうらやましかったなあ…

 

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一方、今日から長野県山岳遭難防止対策協会(通称:遭対協)の夏山常駐隊の非公式常駐基地が岳沢に開設されました。お盆休みのピークを迎える今日から3泊4日の日程で隊員が岳沢に常駐して付近のパトロール及び補導活動並びに有事の救助活動にあたっていただけます。

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こちらは前半組の任務にあたっていただける吉田隊長。

小屋の脇に常設しているテントを拠点に活動していただけます。

正直な話、この忙しい時期に我々山小屋のスタッフは遭難があっても救助活動どころではありません。ただでさえ朝4時から夜9時までフル活動、そんななか、最小限のスタッフで運営している小さな山小屋で一人の戦力が抜けるのはたいへん厳しいことです。救助にでる本人(つまり私)は全然構わないのですが、その抜けた穴は残ったスタッフに重くのしかかります、実際のところ小屋としては機能不全状態に陥ります。そしてその余波を受けるのは事故とは全然関係ない一般の利用者。そんなことに『なるかもしれない…』という恐怖心を常に抱いて仕事をしているのが現実です。

しかし彼らがいる限りは小屋番が出動する必要もなく、安心して業務に専念できるわけで本当にありがたい存在です。かといって、皆さんはくれぐれも事故などは起こさないように。もう一人の水谷隊員が言いました、「痛い思いをする人は少しでも少ないほうがいい」と。

ぜひ皆さん、このお盆休みも無事故で登山を、旅行をお楽しみください。

ちなみに・・・

吉田隊長の左手にあるマークは長野県の県旗のデザインです。そんな旗が涸沢の常駐基地に掲揚されているので、真似して作ってみました。

8月10日、安全登山ノススメ③

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※ 写真と本文は関係ありません ※

昨日、今日は午後のにわか雨もなくあたたかで穏やかな天気となっています。下界は猛暑日らしいですが、ここはちょうど心地良い日和となっています。

さて、そんな穏やかな陽気とは裏腹にここ数日は穂高岳界隈で重大な遭難事故が連続して発生しており残念なことです。幸い、岳沢エリアではこの1週間に遭難事故は発生していませんが、下山してくるのが遅い登山者が非常に目立ちます。穂高から下山してきて小屋に到着するのが5時、6時というのは珍しくもない状態。そんな縦走に疲れた登山者の「お助け小屋」としての性格が強い岳沢なので、それくらいは何とも思いませんが、到着が夜9時を過ぎるというケースも続きました。

そのひとつは69歳のリーダーのもと最高齢71歳の5人組。早朝に涸沢を出発して、奥穂~吊尾根経由(前穂登頂はあきらめて)で紀美子平から小屋へ電話があったのが午後4時、普通なら紀美子平から2~3時間で下山できるのですが、このグループが小屋に着いたのは夜の9時半。なんと5時間半をかけて下山してきたわけです。そもそもそんな高齢の方が涸沢から一日で岳沢まで目指そうということ自体が無謀な計画。歳をとっても日頃のトレーニングを欠かさずに山へ挑戦し続ける熱意は素晴らしいものですが、自らの力量にあった登山計画を立ててもらいたいものです。

また、昨夜のケースは岳沢パノラマから午後3時半に予約の電話をかけてきた40代後半の夫婦。通常、岳沢パノラマからなら1~1時間半で下山できるもの。夕方5時、遅くても6時には小屋に着くだろうと食事の用意をして待っていてもいっこうに到着する気配無し。そして夕方6時半にかかってきた電話は... 『もう歩けません、助けてください』というもの。

こっちは食事の片づけと並行して他の遅い到着組の食事の準備で大忙しの時間、幸い遭対協のパトロール隊員が岳沢に泊まるということで待機していたので彼らに後のことは任せましたが、隊員の介添いを受けて小屋に到着したのが午後9時。こちらのケースは『救助要請』ということになるので遭難事故扱いとして、山岳保険に入っていない彼らは当然ながらそれなりの救助費用を請求されることとなるはずです。この夫婦の問題はなんと登山は2回目ということ、しかもその1回は乗鞍岳(長野県松本市)。乗鞍岳といえば標高2700mの畳平までバスで登れるもっとも簡単な3000m峰。その経験だけで次は涸沢から奥穂~前穂縦走だなんて・・・ 結果として疲労から足が全く動かなくなってこのお粗末な顛末となったわけです。

また、顕著な例ではないのですが意外と若者もクタクタになって遅い時間に下りてくる人も多い。その多くは最近のブームに乗って山登りを始めた(ように見える)人たち。体力のある彼らにとってコースタイム9時間や10時間くらいの歩きはなんてことないものでしょう。でも涸沢から奥穂~吊尾根~前穂~重太郎新道というコースはその全てが岩場の道。普通の山道を歩きなれていても、これだけ長い距離の岩場を歩いたことはないのだろうし、それだけの長いあいだ緊張感が持続できるかどうかも肝要なところです。しかも標高3000m超の場所は空気も薄ければ、晴れれば日射が強い、ガスったり風が吹いたりすれば一挙に体温を奪っていく過酷な環境です。そういった山に慣れていない人たちにはやはり穂高という山は一筋縄ではいかないようです。

それと、奥穂から吊尾根・重太郎・岳沢を通って上高地へ下るルートを『最短コース』と考えている人が実に多いようです。確かに奥穂の山頂からは足元すぐに上高地が見えますが、そんなに楽なルートではありません。そもそも3000mの山の上から楽に下りられる方法などがあるわけがない。きつくはないがダラダラと長いコース(代表:槍沢)か距離は短いが急峻な岩場を急降下するコース(代表:重太郎新道)など、とにかく楽な道などあるわけがないんです。だからこそ標高3190m・日本第3位の高峰の意味があるのですから。それを涸沢から奥穂まで3~4時間かけて登り、さらに吊尾根の岩場歩き、そして重太郎の急な岩場の下りなどを70歳を過ぎた高齢者や登山初心者が一日でこなそうという考えは甘すぎるでしょう。もちろん同様のコースを無難にこなす登山者のほうが多いことは明白です。自分の力量にあった登山計画を立て、それを楽しくこなせればそれはとても素晴らしいこと。でもそれが出来ないのならもっとノンビリ歩きなさいよと思うわけです。

そうすりゃ、朝から晩まで歩き通して辛い思いをしたりすることもなく、結果として事故を防げる可能性が高くなるというものです。そしてなにより、午後2時や3時に山小屋について夕食までの時間にビールやコーヒーを飲んだり、仲間と山を眺めながらお喋りしてたら楽しいじゃないですか。せっかくの北アルプス、穂高という日本屈指の山域をどうせならのんびり時間をかけて楽しんでもらいたいものです。

夏山最盛期で毎日毎日多くの登山者で賑わってます。気がつけば間もなくお盆休み、夏山シーズンも後半にさしかかっています。登山は楽しいもの、そして99.9%の人にとっては「楽しい山だった」で終わるもの、でもほんのわずかな人が手痛い思い、悲しい想いにされされているのも事実です。どうかこのHPの読者は99.9%のほうに入るように注意しつつ、存分に山歩きを楽しんでください。

 

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8月9日、夏の残雪と岩峰

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岳沢小屋には『朝、遅刻をしたらその日は休憩無し』というルールがあります。

今朝は〝4時の出勤時刻”にめでたく遅刻をしたスタッフがおりまして、その彼に午前中の支配人的雑役を全て任せて天狗の頭まで調査に出かけてきました。(注:この雪渓はルート上の雪渓ではありません)

今、天狗沢では下部(小屋から20分ほどの場所~1時間ほどの範囲)でいろいろな花がきれいに咲いています。

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タカネニガナ
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ミヤマダイモンジソウ
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シモツケソウ
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シロバナハナニガナ

一面のお花畑という感じではありませんが、登山道の両脇に終始花が咲いていて歩いて楽しい気分になれます。また、お盆が過ぎる頃になると初秋の花であるクガイソウやサラシナショウマ・トリカブトなどが咲き始めます。これらは高茎で目立つ花なので、さらに気分を盛り上げてくれることでしょう。

岳沢小屋に泊られる方には涸沢や奥穂高方面から下山の途中に〝プラスもう一泊”と、ノンビリ泊まられる方も大勢います。そういう方は次の朝、さっと下りるのではなく、のんびりと天狗沢に足を伸ばして楽しまれるのはいかがでしょうか?小屋から往復1~1時間半で、きっと満足いただけると思います。

さて、そんなお花中心の天狗沢前半から一転、後半は玄人向きのハードな登りが続きます。このHPでも何度も申し上げている通り、決して初心者には足を踏み入れて欲しくないエリアですが、それなりの実力=山歩きのセンスを持っている人にはぜひ味わっていただきたい場所です。なんと言っても静かですから。

この時期の重太郎新道は登る人・下る人でひっきりなし。とても静かな山を楽しむという雰囲気ではありません。すれ違いに時間を取られ、こんにちはと挨拶をするのも面倒な状況でしょう。しかし、今日天狗沢ですれ違った登山者は二人(そのうち一人は五千尺ロッジのスタッフ) 静かな穂高、岩峰すり抜ける雰囲気を味わえるならお奨めの場所です。

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そして、稜線に出れば本格的な岩稜ルート。今日も奥穂⇒西穂、西穂⇒奥穂に向かう登山者が多くいました。天狗のあたりがちょうど両者の中間地点くらいになるのかな。

 

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今日は天狗の頭付近から前穂高岳の全容と岳沢小屋の位置が一目でわかるような写真を撮りたかったのですが、あいにく途中から雲が湧いて、いい写真は撮れませんでした。

また次回、良い風景を撮りたいと思っています。

(↑の写真は前穂高岳と明神岳、岳沢小屋は右下にちょこっと写っています)

8月8日、小屋見峠

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今日も朝はいい天気、朝は...

この1週間は小屋の敷地からは一歩も出ないような日が続いていたので、今日は久しぶりに小屋見峠まで散歩(ブログネタ撮影)に行ってみた。ここから見る岳沢小屋と背後に迫る山並みは〝さすが穂高"と思わせる光景、と同時にスゴイ場所に住んでるなと実感させられます。ちなみに↑の画像で小屋の真上の雲のかかっていないあたりが奥穂高岳の山頂になります。

さて、↑の写真を撮ったのは午前8時。すでにこの時間から稜線方面は雲が湧き始めていました。

昨日・おとといと午後には激しい雷雨になり、今日も午後は一荒れありそうな空模様です。

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そして、やはり、午後は中部地方の山岳地域のありとあらゆる場所で雨雲が発達しています。昨日までとの違いは発生時間が少し遅かったこと。昨日や一昨日は前夜に穂高岳山荘に泊った登山者が岳沢に下りてくる午後1時~2時頃にかけて激しい雨となったので、避難する登山者で小屋の中がごったかえした。なにしろ皆さんずぶ濡れのままで小屋の中へ入ろうとするので「せめてカッパは脱いで、ザックは外へ置いてくれ」と大声で説明するのに一苦労。

でも今日は激しい雨になったのは午後4時以降、だいたいの登山者(下山者)は下山の途に就いている途中で、なおかつほとんどの宿泊者は小屋に到着している。おかげで今日は激しい雨音を聞きつつも割りと穏やかな状況でいられました。

「雷三日」といいますが、明日以降は台風崩れの低気圧の影響で同じような天候が続きそうです。明日はこのHPの「空室状況」を参考にして、急遽登山を計画されたお客様がたくさん泊まられるようです。引き続き、午後の雷雨にはご注意ください。

もし突然の大雨になって沢が増水しても無理して渡らないように、頃合いを見て必ず我々が何らかの方策を考えるので安心して安全な場所で待機していてください。

 

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8月7日、午前5:10の厨房から

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昨日の午後は一時的に激しい雨が降りましたが、今朝は気持ちの良い青空が広がりました。

午前5時に朝食が始まり、特等席での朝食風景が厨房の目の前に展開されます。

 

今日も忙しい一日になりそうなので、

朝イチにさっさと更新してあとは職務に専念しようと思います。

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今朝の上高地の朝もや風景もきれいで、白樺荘と帝国ホテルの赤い屋根がひと際クッキリと浮かびます。

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8月6日、上高地のヘリポート

運がいい登山者は山小屋へ物資を運ぶヘリを見たことがあるかと思いますが、どこから・どんな風に荷物を上げてるかは知らないでしょう。簡単に紹介させていただきます。

 

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今回はJA9672、スーパーピューマという大型の機体。一度に1000kg以上を楽に運んでくれる力持ち。

 

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朝早く、各小屋からヘリ番の人たちや業者さんが上高地のヘリポートに集まり荷物の準備をします。

荷作りをうまくやらないと運んでいるときに崩れてしまい、物が壊れてしまうこともあるのでしっかり荷姿を整えて作ります。荷姿がよくても重すぎたら運べませんので、重量計算もしっかりと。

 

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荷物を持ち上げるとき、あたりは耐えることでいっぱいいっぱいになるくらいの爆風。軽いものはもちろん、「これは大丈夫だろう」 と思っていたものでさえも簡単に飛んだりするので、荷上げ側も荷受け側もヘリが来るときは緊張します。

さて、ここで登山者のみなさんにお願いです。ヘリが近くにきたとき、せっかくのチャンスだからと写真を撮りたい気持ちはわかりますが、危ないので近づき過ぎないようにように&帽子やタオルが飛ばないようにしっかり押さえておいてください。

 

 

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で、見たことある方もいると思いますが、各山小屋に物資が届きます。

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山小屋に物資を運んだ後は帰りに空き缶などのゴミを下ろしてもらいます。トイレのカートリッジもこのようにヘリで下ろすので、かなりの維持費用がかかっています。山小屋のトイレ脇にチップ箱がありますが、きれいな山、きれいな山のトイレを維持するためにもみなさんの暖かいご協力を今後もよろしくおねがいします。もちろん強制ではありませんので!!

 

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戻ってきたヘリを誘導する東邦航空の清水さん。 「ブログに載せていいよ」 とのことでしたので名前も書かせてもらいました。次回は後姿ではなく、正面からの写真を・・・・。

僕らも小屋で誘導や荷物の切り離し作業をやりますが、東邦航空さんの一連の作業は小屋の人たちがやるより無駄がなく、早くて確実です。荷上げはスピードが大事なので見習いたいです。もちろん安全第一で。

 

 

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プロパンガスを軽々と運ぶ野田。清水さんが 「がんばってる姿をみんなに伝えるべきだ」  と、撮ってくれました。

プロパンガスは一本90kg!あります!(満タン時)

 

 

ま、写真に写っているのは空だから30kg程度しかないし、後ろに積んであるのを僕が全部運んだわけでもありません。力持ちと言うより、単に腕が長いから楽に運べているだけかも・・・

 

 

 

 

上高地のヘリポートはこんな感じで、夏の間は週一のペースで荷上げをやっています。

 

 

 

 

 

 

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今日は小屋前の沢が増水し、安全のために一時通行止めにさせていただきました。

ルートは写真右下から左上に向かってありますが、御覧の通り。

雨が弱くなれば水もすぐに引きますので、このようなときはムリして渡らないで安全のところから写真でも撮りながら待っていてください。

8月5日、各地で頻発

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最近、各地のブログで「久々の...」という言葉が頻発しています。

今朝は「久々のきれいな乗鞍岳と朝靄に沈む上高地」が見られました。

夏の朝なら普通の風景ですが、あまりにも「久々」で嬉しくなってしまいました。

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さて、今日からお盆休みにかけては混雑が予想されるので、海の日の連休以来撤収していた大型テントを再設営しました。これで倉庫棟と合わせて16名までなら「予約無し」の方でもそこそこ快適にお泊りいただけます。(寝袋+マットになりますが) お天気を見て、そういう条件でもよろしければお出かけください。但し、この16名のスペースがどれくらい混み合うかは我々には予想もできません。まあ、それは混み合う山小屋ならどこでも同じこととは思いますが。

ところで、なんか土日の予報が悪くなってきました。台風の外側の雲がかかるという予報なんでしょうか?なんかそんな天気になるような気もしないのですが、果たして実際はどうなりますやら...

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8月4日、復活夏空

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やっとこんな夏の日差しが戻ってきました、今日は半袖が快適です。

半月も湿った空気に支配されていたこのエリアもやっと乾いた空気に入れ替わったようです。

登山者は天気予報に敏感なようで、岳沢を通る人もずいぶんと増えてきました。

スイカがよく売れる天気になってほっと一安心、やっぱり「山は景気より天気」です。

週末からは天気も安定するようですし、小屋の予約も明日から週明けまでは満杯。

これからしばらくは忙しい日が続きそうです。

 

お願いだから事故を起こさないでくださいね。

わたくし、もういっぱいいっぱいの毎日ですので。

 

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8月3日、肌寒い・・・

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今、小屋の周りできれいに咲いているのがイワオトギリ(オトギリソウ)。石垣の間などで場所を選ばす、元気に咲いています。そんな黄色い花を横目に雨で濡れたテントやシートを片付けながら、「オトギリソウとオダギリジョーって似てるよな」などと一人でボケてました。

さて、ここ3日ほどは少しづつ天気が安定傾向です。

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朝のうちは青空の覗く時間もあったりして、布団もかろうじて干せる状態です。

でもやっぱり今日も昼前から雨がパラパラと、そして午後は弱い雨が降ったりやんだり。これで10日連続の降水となっています。そしてなにより気温が低い。今日の最高気温は15℃、立秋(8月7日)を前にすでに十分に秋の気配が漂ってます。長袖シャツを着ている自分の姿にちょっと疑問を感じてしまいます。でも気象というのはどこかで補完しあうもの、きっと残暑のぶり返しがあることでしょう。

小屋での今年の売れ筋はホットコーヒーやカフェオレ、一方昨年好調だったざるそばなどはほとんど出ません。だけど生ビールだけは好調なのは天気や気温には左右されない魅力があるんでしょうね。

 

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8月2日、荷上げ

29日から始まった上高地界隈の山小屋への荷上げは連日の悪天候によりなかなかうまく進みません。

今日は日没前の僅かなガスの切れ目を逃さずに東邦航空さんが飛ばしてくれましたが、全部の荷は上がりきりませんでした。

荷物がこない山小屋は野菜などの在庫の残りが気になりだしているようですが、視界が悪いとヘリは飛べません。

ヘリポートにいる側の人間としても早く上げたいのですが、天気のご機嫌はどうしようもないですね・・・・。もうちょっと待っててね。

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この写真は今年の春のヘリポートです。

詳しい場所はナイショですが、霞沢岳をバックにしたなかなか素敵な場所です。

天気がいい日なら休む間もなくバンバン飛ぶのですが、最近は・・・・・。

 

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ちなみに朝イチは天気が良く、小屋テラスからの御三家の山?(左から霞沢岳、乗鞍岳、焼岳)もバッチリ見えてたんです。

居合わせた登山者の方々も嬉しそうにカメラを向けていました。

あしたも予報を見る限りだと好天は期待できませんが、なんとか飛んでくれることを信じつつ・・・・おやすみなさい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

~ お ま け ~

 

 

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槍ヶ岳山荘でお手伝いをしてくれてた中さんがジャンダルム経由で遊びに来てくれました♪

現在64歳ですが、行動力&元気っぷりは20代前半くらいでしょうか。中さんを昔から知る山荘の小林さんによると、その元気っぷりは 「昔からまったく変わらない」 とのこと。

中さん、機会があればまた寄ってね!

8月1日、安全登山ノススメ②

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今日は久しぶりに穏やかなお天気。午後、一時的に雨は降りましたが日中は雲が多めながら日差しが暖かくて布団も1週間ぶりに干せました。ここ数日はシケシケの布団で、お泊りになられた方には申し訳なかったとスタッフ一同お詫び申し上げます。

さて、連日の遭難ネタですみません。昨夜はあるグループが慰霊登山のために岳沢に泊られ、今朝は遭難現場を見通せる場所までご案内しました。

事故があったのは昨年の10月8日、60代の単独登山者が穂高岳山荘に泊ったのを最後に行方不明となりました。その後、ほぼ1週間にわたって長野・岐阜県警のヘリと地上捜索隊が懸命な捜索を行いましたが発見には至らずに捜索は打ち切りとなりました。「いったいどこに行っちゃったんだろう…」そんな会話を担当の警察官と何度も話をしました。もしかしたら山にはいないで下山してからなにかが起きたのではないか、そんなふうに本気で思っていました。

しかし、遭難者の小学生時代からの友人がどうしても諦められずに私財を投じて知り合いの知り合いを通じて長野県内の山岳ガイド3名に捜索を依頼しました。10月末の雪が降りそうな時期に岳沢へ来た3名は岳沢と穂高岳山荘を拠点に4日間に渡って捜索を続けましたが、発見には至らずに最終日を迎えたのです。その最終日に神がかり的ともいえる出来事が起きて、重太郎新道の岳沢パノラマ近くのルンゼ(狭い岩場の溝)をザイルで100m下降した地点で遺体が発見されました、事故発生から20日目のこと、最後の最後にまさに「呼ばれた」としか言えないような発見でした。

そして、昨夜その友人3名が岳沢を訪れたのです。登山経験のほとんどない彼らは上高地から岳沢小屋まで4時間かけて登ってきました。そんな彼らですので、岳沢パノラマまでは登れるわけもなく、小屋近くの万年雪から現場を見通せる場所へご案内した次第です。

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「竹馬の友」と自ら称する彼らは悲しむというよりは、この場所へ来れたことを嬉しく思っているようでした。こちらとしても、知らんぷりをするあるいは山を憎む遺族よりはこうして訪れてくれる人はありがたいと思います。そんんな人たちには時間が許す限りはこうしてお付き合いしたいと思います。そのことを喜んでくれるのであれば。

 

岳沢に来てまだわずか一年少々ですが、私にとっての岳沢マップはそこらじゅうが赤丸だらけです。

前穂まで登山道整備や偵察で登り降りするたびに、「ここで、どこそこの誰々が…」 「ここでは誰それさんがこんな風に…」いろんな救助シーンが思い起こされます。こんなペースだと私にとっての岳沢マップはそのうちに真っ赤っ赤になってしまいそうです。

 

そんなことを考えていた今日、昨日の救助から間を空けることなく今夏3件目の遭難事故が発生。

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現場で見た遭難者は命に別条はないものの、その姿はあまりにも痛々しい・・・

ザックの肩ひもはブチ切れ、必死に救助を要請した姿を物語るように地図やらGPS・携帯無線・携帯電話が散らばっていた。現場に到着した時は深い霧に包まれ、その後の作業をどうするべきか、背負って搬送するにはあまりにも身体の状態は厳しく、ここでヘリを待ち続けるしかないような状況だった。しかし、ヘリの進入と前後して視界は開けて無事にヘリへの収容が完了。今回は『110番への第一報⇒小屋への連絡⇒出動準備⇒現場への駆け付け⇒ヘリ収容』までがわずか1時間10分で済むと言う、言葉は悪いが「痛快」な救助となった。これだけ迅速なケースもある意味珍しいかもしれません。

 

岳沢小屋再建に至る思いにはいろいろなものがありました。

穂高へ登り降りする登山者、岳沢へ遊びにくるハイカーの憩いの場として、トイレも何もなければ山の環境が荒れるだけという環境対策のため、そしてなにより一番の意義は穂高岳南面で起こる事故に対応する遭難救助の拠点として。だから、事故があれば我々はすぐに現場へ駆け付けます。だけど、事故に遭って痛い思い、辛い思い、心細い思いをするのは誰よりも当人です。いろんな現場を見たからこそ言います、くれぐれも安全登山に留意してください。楽しい登山で終わらせ、次にまた山へ登りに行くためにも。

山小屋案内

槍ヶ岳山荘

槍沢ロッヂ

南岳小屋

大天井ヒュッテ

岳沢小屋

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