2018/05/30
こんにちは、槍ヶ岳山荘です。
最近大工仕事が始まりました。
金槌で指を打つ度に去年の記憶が蘇り、懐かしい気持ちになります。
本当は指を打たないのが一番良いのですが・・・。
大工の作業は大まかに分けて二種類あります。
一つは現場で解体したり組み立てたりする作業。
もう一つはその作業で出た廃材などを片付ける作業。
私は前者の作業をしていて、指を打っていた訳なのです。
現場の作業のほうが見た目が派手だから大変だと思われがちです。
個人的には後者の作業の方が大変だと思います。
なので、金づちで指の一本や二本を打ちつけて落とし前をつけなければ片付けているスタッフに会わせる顔がありません。
さて、そういう作業の相棒は、山荘のガテン系俳人の「小林白湯爺様」です。
先日やっと休暇をいただいた私。
ずっと休まずに働いて、一番最後のタイミングで休暇だった私に対し「あ~忙しかった、休んだ分たくさん働いてね」とありがたいお言葉をいただきました。
今後の作業中に誤って白湯爺様のコメカミに釘を打ちこんでやろうと思います。
現場ではそんな冗談を言い合いながら楽しく作業を進めております。
まぁ白湯爺様のコメカミに釘を打ち込むのは冗談ではありませんが・・・。
さて、我々が使っている金づち
職人さんが使っている玄翁(げんのうと言う、大工さんの使う道具)
釘がなかなかまっすぐ打ち込めないシーンがあります。
そんな我々を見て職人さんが「それは釘を抜くには良いけど、打つにはこういう玄翁の方が良いでね」と教えてくれました。
そして釘袋と呼ばれる腰から下げている道具入れから玄翁を抜いて見せてくれました。
そしてすぐさま釘袋に戻し、インパクトドライバーでネジをねじ込む作業に戻られました。
「ソレナラ ソノ玄翁カシテクダサイヨ・・・。」
いやいや・・・職人さんですから、職人の魂の道具は人に触らせませんよ。
・・・と思ったら「お~い、そこの出てる釘これで叩いといてくれや」と、魂の道具を・・・。
まぁまぁまぁ・・・、色々ありますわな。
私も実は私物のハンマーを持って来ているんですけどね。
それがこれ。
これでは釘は上手に打てないです。
さてさて、私の休暇に対し非常に厳しい白湯爺様がそろそろ休暇で下山するそうです。
「休んだ分だけたくさん働いてもらいますからね」と言い返したところ、「あ~どうだかなぁ。最近頭のネジが緩んできて物忘れが・・・。休んだ事も忘れちゃうかも」
と言っておりました。
やはり頭もネジだと緩むので、ちゃんと釘を打ち込んで差し上げようと思います。
白湯爺様を物忘れから解放して差し上げるために介錯が必要ですからね。
相棒としてできる事と言えばこれくらいしか・・・。