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7月11日、氷河公園コース(槍沢~天狗原~横尾尾根)

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今日も午前中を中心に良い天気となりました。

今度の週末からは一気に登山者も増えそうということで、今日は氷河公園コースの整備へ、南岳小屋から2名・槍沢ロッヂから1名の計3名で作業を行いました。

画像を見てもお分かりの通り、槍沢の雪もずいぶんと少なくなりました。ただ、こちら側は「氷河公園」というだけあって、槍沢~天狗原~横尾尾根間にはまだだいぶ雪が残っています。

これから増える夏山登山者が、もしスリップでもしたら大事故につながらこの画像の区間だけは安全に通れるように幅50㎝ほどに?字型に雪を切ってきました。

ただ、その手前(槍沢側)には傾斜が緩いので転んでも心配のない場所で長さ50m以上の雪渓が残っていますし、

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天狗池周辺や、

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氷河公園の最上段のカール底(通称:野球場)など、広い範囲に雪が残っています。

アイゼンがなくても歩けないことはありませんが、「夏の残雪の上なんか歩いたことなんてない!」という方は軽アイゼン+ストックをお持ちになることを推奨します。特に下り利用では軽アイゼン+ストックを強く推奨します。

この軽アイゼン+ストックの推奨は7月25日頃まで継続すると思います。(7月28日の週末くらいになれば、それも不要となるでしょう)

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さて、横尾尾根のコル(標高2700m)まで上がれば、それより上には雪はありません。

が、ここからしばらくは大きな岩がゴロゴロと点在するようになります。筋力のある人、身の軽い人、荷物の軽い人であれば、まさしく天狗のようにピョンピョン行けても、筋力の弱い人、荷物の重い人にはなかなか難渋なところです。

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でも、こんな、THE北アルプス!!みたいな登りだときっと楽しいことでしょう。

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さらに高度を上げ、標高2900mを越えると、いよいよ最後の難関・南岳の岩壁の登りとなります

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「これでもか!!」と言うようにハシゴ場やクサリ場の続く急な登りが待ち構えています。上高地から一日で南岳まで登ろうという場合、上高地~横尾~槍沢のアプローチ部分でペースを上げ過ぎてしまうと、最後の最後でバテてしまいますから、そこはしっかりとペースを保って、長丁場な登りを頑張ってください。

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クサリ場の傾斜が緩んでくると、主稜線まではあと少し。

横尾尾根を登り詰めた向こうには飛騨や越中の山々の眺めが疲れを癒してくれるでしょう。

ここから南岳小屋までは20~30分。槍ヶ岳山荘までは2時間~2時間半です。

昨日の話しではないですが、やっぱり南岳に登るなら、こっちの氷河公園コースのほうが楽しそうですよね。

ま、そこは長野県民(安曇野市在住)としても贔屓目も含まれていますけどね。

どうぞ、天気の良い時に、この絶景の氷河公園コースを楽しんでみてください。