槍ヶ岳山荘・槍沢ロッヂ・南岳小屋・大天井ヒュッテ・岳沢小屋の5つの山荘のWEBサイトです

BLOG南岳小屋の過去スタッフブログ

トップページ > スタッフブログ > 南岳小屋の過去スタッフブログ > 8月25日、秋雨の季節は低体温症にご用心

8月25日、秋雨の季節は低体温症にご用心

image2 (002)

今日も街では35℃を超す猛暑日のところが多いようですが、山は完全に別!!

日本海に停滞する秋雨前線に吹き込む湿った気流の影響で、山は大雨・増水・濃霧・強風の荒れた天気で、南岳小屋の正午の気温は12℃。

昨日は岳沢小屋へヨーデルコンサートのヘルプで行っており、今日はそんな荒れた天気の中での南岳への戻りでした。

驚いたのは昨日の台風通過後の暴風がまだ続く中でも、今日のこの悪天の中でも槍沢から槍ヶ岳へ向かう登山者の多いこと、多いこと。どう考えても登山日和とは言えない、昨日・今日のお天気の中で皆さん頑張るな~!!と。

ただ、昨日は台風の影響で風速20mを越える荒れた天気、今日は秋雨前線の影響でまだ10mを越えるような強風。そこで12℃という低温。いわゆる体感気温で言うと氷点下の寒さです。

例えば、槍沢から槍ヶ岳山荘へ、涸沢から穂高岳山荘までであればたいして風に吹かれることもなく山小屋へと逃げ込めますが、南岳小屋の場合、横尾尾根を登っても最後に20~30分ほどの稜線歩きを強いられます。

今日のような大雨の中、カッパを着てても雨と汗で服はビショビショ。そこに体感気温氷点下の風に吹かれれば…

IMG_1808

案の定、今日到着のお客さんはみんな、寒い寒いと到着後の20分間は宿泊受付もできないような状態で、ストーブから離れられません。

南岳小屋は最後の稜線歩きが20~30分で済むからまだマシですが、一番厳しいのは岳沢から吊尾根、そして奥穂の山頂から穂高岳山荘への下り。吊尾根あたりから徐々に風が強まり、奥穂山頂に着いた途端に飛騨側からの強い西風に吹かれれば、本当に死ねる寒さです。

里はまだ夏でも山はもう秋、山の秋は里で言えば初冬並みの寒さですからね。南岳小屋の周囲の草地もすでに草紅葉が始まっている季節です。

晴れている時は超快適な秋山ですが、荒れれば地獄。

くれぐれも出発前、そして現地に到着後もしっかりと気象情報を収集し、無理な行動を取らないように気を付けてください。

それよりも37℃を超す猛暑の関東各地の皆さんからしてみれば、「ストーブ!!」と、そっちの方が信じられないような驚きかもしれませんね。