2019/10/10
晴れの特異日と言われる10月10日(以前の体育の日)は快晴無風&ポカポカと暖かな秋晴れの一日となりました。山麓のダケカンバの黄葉も今が盛りでとってもきれいです。
さて、報道でご存知の通り非常に影響が大きくなりそうな台風19号の動向が気になりますが、一方で日曜・月曜は天気回復するのでは…?とご予約もチラホラ入ってきております。
とはいえ、動く時間を間違えるとたいへんなことにもなりそうですので、この連休に槍ヶ岳や南岳へお出かけの方に、現在のところのデータをもとにお天気見通しをご紹介いたしましす。
まず土曜日は午前中は普通の雨降り、稜線上の風速は南東の風で20~25m程度と予想されます。この時間のうちなら槍沢ロッヂや涸沢まで登ることは可能だと思います。風向が槍沢を吹き上げる風ですので、グリーンバンドから上部では風が吹き荒れると思います。この日は槍沢ロッヂ止まりが賢明でしょう。
ただ、お昼頃を境に天気は一気に悪化。
まず総雨量200mmほどの豪雨が予想されます。もしかすると今期一番の大雨になるかもしれません。当然、沢沿いの登山道では増水が発生、場所によっては路肩の崩落、山崩れも発生するかもしれません。横尾~槍沢間でも危険かもしれません。また、風も午後3時以降は風速30mを越えてきます。稜線の山小屋には上がるのは困難です。
さらに大雨によって上高地へのバス路線も夕刻~翌朝(安全が確認される午前8時や9時頃)までは通行止めとなる可能性が大です。
したがって、夜行で日曜の朝に上高地に入ろうという計画は止めたほうがいいでしょう。当然、長野県までの交通もJRの運休や高速道路の通行止めも考えられます。
連休二日目の日曜は、台風が通過し、一時的に冬型の気圧配置が強まります。
午前6時の風速は北よりの風で風速30m。台風本体の雨雲は通過しますが、強い北風に乗って槍穂の稜線には雨雲がかかり暴風雨の状態が続きます。お昼頃になると引き続き雲がかかり濃霧の状態は続きますが、雨は止むかと思われます。風も正午を過ぎると風速10m程度に落ち着いてくるでしょう。
もし南岳に来るつもりの方がいるとすれば、槍沢ロッヂをゆっくりと出発して、午後3時頃に到着する計画であれば天候もだいぶ回復してきているはずです。
(上高地が通行止めだとその日のうちに稜線への到達は不可能)
きっと営業最終日の夕焼けはとてもきれいなものになるかと思います。
月曜日は多少雲が広がる程度で風も10mほどと比較的穏やかな天気となりそうです。
以上、木曜日時点での見通しですが、この台風報道の中でも槍穂高へ出かけようという勇気ある方がいれば参考にされてください。
ポイントは動けるのは土曜の午前中まで、午後は行動危険。
また土曜のお昼くらいまでに上高地へ入っていないと、午後~日曜の朝は通行止めの可能性大。
稜線へ上がるのは日曜の午後少し遅めの時間くらいがベスト。