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秋雨前線活発です ご注意ください 

こちらは先ほど午前7時半ころの岳沢、テント場へと行く道の沢の様子です。
1時間ほどの土砂降りの影響で一気に、増水、土石流となって現れました。
もうこうなると土砂災害危険レベルの増水レベル5+ですね。

ここまでくると沢一帯に。岩石同士がぶつかる地鳴りがひびいています。立っている足元にも振動がドゴンドゴン伝わってきます。2日前ほどから活発に活動を始めた秋雨前線の影響で山は大荒れ、8月前半~中盤の青空が続いた登山日和とはかけ離れた景色が広がっています。
今年の前線活動はなかなか活発で、この2日ほどは雨が降り出すと土砂降りが1~2時間続き、またその後ややあってふたたび土砂降りになるといった傾向です。岳沢界隈では今シーズン一番の雨降りとなっています。今年の梅雨時期はしとしとの長雨が続くといった感じでしたし、台風もこのあたりではおとなしかったので。

コブ沢も同様に濁流となっていました。現在岳沢小屋は濁流に囲まれています。。ひとたび降ればこんな状況になりますので、小屋から移動することはできませんし、小屋にも行くこともできません。
下の写真は昨日の夕方増水レベル2くらいの状況の小屋見峠から沢の渡渉部です。
このぐらいならなんとか場所を探せば渡れないことはないですが、ここへ到着するまでに、すでにバテていたり、雨に打たれて体力が落ちていたりすることが多いので、冷静に渡渉点を見つけることができなくなってしまう方々がまま見受けられます。
その場合、水がもっと引いて渡れるようになるのを待つか、渡渉を諦めて引き返すしかありません。自然の前では人間は無力なのです。
大雨が降った時の沢筋では、こういったリスクがどこの小屋、登山道でもあるもので、登山計画全体で考えたときのリスクは好天時に比べはるかに危険を伴います。
なかなか休みが取れなくて今日しかなかったという理由でこんな天気の中登られてくる方々もちらほらいますが、明日の好天が約束されているとか、2日くらいの停滞は覚悟で来ているとかならわかるんですが、こんな天気で日程の余裕もなく、夕方18時を過ぎて到着し、翌日大雨の中、早朝から重太郎新道を登って奥穂高岳に行くなんて。。。何考えてんの!やめときな!!と思わず言ってしまいたくなります。。

これくらいでも怪我するときはします。みなさん十分にお気をつけて、天候判断をしっかりして、登山を楽しんでください。