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明日前穂行ってくれば?

待ってました、その一言!

昨晩、栗原主任からGOサインを(やっと?)いただき、岳沢アルバイト恒例の前穂遠足へと行ってきました。

毎年7月あたまに入山してから夏の忙しくなる前の時期、半日の休憩時間をいただいて前穂まで登りに行けるのです。

今年も梅雨明け宣言間近の本日、バイト歴6年目のれいな先輩と5年目井村が行ってきました。

早朝5時、起き抜けに窓の外を見ると朝焼けに染まるきれいな空が。良い天気の予感に胸が高鳴ります。それから朝の仕事をちゃっちゃと終わらせ、7時に「さあ出発!」と外に出ると下からガスが・・・。あー、これから少し雨降る予報だね、と栗原主任。

ま、とりあえず行ってみようか、と私とれいなさんは出発しました。

岳沢パノラマに着くころになると雲行きはどんどん怪しくなり、ついに本降りの雨が降り始めました。しょっぱなから心を折られた私たちは、下山寸前まで追い詰められましたが、栗原主任からのミッションがあったため、重い足を一歩一歩進めました。

歩き続けていると、登山道脇に咲くたくさんの花が目に留まります。新しいカメラを買ったばかりのれいなさんは、ここぞとばかりにどしゃぶりの中足を止め、何度も可憐な花たちにレンズを向けていました。そんなれいなさんを見ていると、こちらもなんだか楽しくなってきました。

これから夏本番に向け、今年も重太郎新道ではたくさんの高山植物が楽しめそうです。

紀美子平到着時も相変わらずガッスガスで景色もへったくれもなかったのですが、いつの間にか雨でも道中を楽しんでいた私たちは、「雨は降ってないし風もないからあったかいね。ここでゆっくりしよう。前穂山頂は今回はもういっか!」と、潔く登頂は諦め、そこをゴールにしました。

私たちはピークハントだけが山歩きの楽しみ方ではないということも実感しました。

前穂山頂に行かずとも、栗原主任のミッション<吊尾根の雪の状況確認>を遂行すべく吊尾根の方に歩きはじめると何やら足元をうろちょろする影が。ふと見るとオコジョが。かーわいー!と普段は滅多に出さない声色でキャッキャ言う私たち。

そして本題の吊尾根の雪の状況を奥穂方面から来た登山者の方に尋ねると、「まったくない」とのことでした。

帰りもガスの中の下山でしたが、岳沢パノラマで一瞬晴れ間がのぞき、気持ちの良い景色が出迎えてくれました。行きはずぶ濡れで俯きがちだった私たちも、終わり良ければ全て良し、と大満足で小屋に戻りました。

今年もたくさんの方々に、前穂をはじめ穂高連峰を安全登山で楽しんでいただきたいと願っています。そして岳沢小屋にも遊びにお越しください。