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西穂高岳から天狗のコルへ(雪雪のち岩岩)

41歳のおじさん新人の脇本です。
早いもので、もう6月、ついこの前に入山したような気もしますが、小屋周りの雪もずいぶんと融け、確実に夏が近づいていることを感じてます。
さて、2度目となりましたブログの担当、前回も研修登山でしたが、今回も先輩に連れて行っていただきました。(噂では自分が行きたいから私をダシに使ったそうですけど)

それはともかく、今回はGWには多くの登山者が登られた西穂高沢から西穂高岳に登り、稜線の雪もだいぶ解けただろうということで、天狗のコルまで縦走して天狗沢を下るという、1周コースです。

これまでの登山歴は7年。冬の八ヶ岳と春の北アルプス以外は、ずっと一般登山道を歩いてきました。そんな自分が憧れというか、行けたら楽しいだろうなぁって思っていたルートに連れて行ってもらえるという事で、昨夜は早く布団に入ったのですが、なかなか寝付けませんでした。

朝5時30分出発。小屋から下りつつトラバースして西穂高沢へ。標高2050mの取付き部分からアイゼンを履いて登ります。今年は雪が多いので、まだまだ雪渓を利用できるみたいです。
ここから稜線までは標高差800mを一直線に登ります。先は長いですが、時間が早いので雪もまだ歩きやすく、さくさく進みます。自分がここを歩いているのがうれしくて、途中立ち止まっては周囲を見回し、ひそかにニヤニヤしてました、完全に危ない人ですね。。。

下部では細かった雪渓も上部ではまだまだ雪がたっぷりです。ただ、落石が散乱していて、日中気温が上がるとそれらがどんどんと落ちてきそうなので気を付けてください。
振り返れば前穂高岳や奥明神沢、それに岳沢小屋が一望できました。

稜線まで出れば、まもなく西穂高岳の山頂に到着です。
すっきりした天気ではありませんでしたが、槍ヶ岳から立山方面まで見渡せました。

さあ、先を目指します。基本的にルート上には雪はありませんでした。せいぜい各所の鞍部に残るくらいで持参したロープを使うことはありませんでした。


雪渓の雪々登りのあとは稜線の岩々歩きが続きます。この岩々の連続こそが穂高の醍醐味ですよね!

岳沢小屋で鍛えられた(?)おかげで体力的には大丈夫でした。また、いくつかある難所も先輩の後をついていくことで何とか越えられました。

天狗のコルからは再び雪々の天狗沢を一直線に岳沢小屋まで。雪も緩み、小屋までは一気に下山できてとても楽でした。

今回のこのコース、まだしばらくは楽しむことができるようです。
間もなく梅雨入りとなりそうですが、梅雨の晴れ間に岳沢小屋をベースにすれば、一泊二日で存分に残雪の穂高の谷と岩稜の縦走を楽しめますよ。

今回はとても気持ちよく歩くことができ、非常に満足できた山行でした。毎日、いろいろなことがあります、先日は大失敗を犯してしまいかなり気分も凹んでいましたが、山に登れば気持ちがすっきりです。来週は大天井ヒュッテの偵察山行に同行させていただく予定なので、それも楽しみです。みなさんもどうぞ山へお出かけください。