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新雪の朝と雪崩のリスク&ルート一部付け替え

昨夜の寒冷前線通過による雪は、岳沢小屋周辺で約10cm、上部では30cmほどの積雪となりました。

今年はなかなかしつこく雪が降りますね。
とは言っても、特段に珍しいことでもありませんけれど・・・

今朝は9時ころから青空が広がり、新雪の美しい景色を展開してくれました。
ただ、昨夜お泊りのお客様、今日涸沢から岳沢へ向かうお客様、ともにガイド登山ではありますが、雪崩のリスクからそれぞれ予定の行動を中止してしまうこととなってしまいました。
今年は4月に入ってからの降雪が多かったために例年よりも雪崩のリスクが高まっています。そのせいか、電話での雪崩への問い合わせをたくさんいただいています。
ただ、雪崩というのは斜面に雪があればどこでも起こりうる現象です。今日も西穂高沢や間ノ沢では中規模の表層雪崩が発生しています(中規模とはいえ、人間が巻き込まれれば木端微塵となる破壊力はあります)。また雨が降れば全層雪崩の危険が、気温が上がれば雪庇や岩壁の雪の崩落によるブロック雪崩の危険があります。
「今日の可能性は?」と聞かれればお答えもできますが、電話で数日先のことなどは聞かれても答えようがありません。
「斜面に雪があれば可能性はゼロではなく、あとは直近そして当日の気象条件次第でしょうか・・・」くらいしかお答えできませんのでご了承ください。

さて、上高地から岳沢小屋への登山道では下部の雪がだいぶ少なくなってきました。写真は⑥見晴台付近の様子です。小屋開けからGW中はここからは沢沿いの雪渓上をルートとしていましたが、今日から⑥~③の区間は夏道を通るルートに目印を変更しました。

ただ、まだ夏道は木や枝がルート上に倒れ掛かったりしていてなかなかに通りにくい部分が多くなっています。正直なところ、沢沿いのルートの方が最初こそ岩がゴロゴロしていますが、ほどなく雪の上を歩けるようになるので、この時期の岳沢に通い慣れた人であれば夏道へ誘導している目印(旗竿)は無視して沢の中を登っていったほうが快適かと思います。(少なくともこの週末までくらいは確実に沢沿いのほうが快適です)